テレワークの導入はなぜ進まない?テレワーク実施率が低い原因と対策を解説。

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新型コロナの感染対策として、政府が掲げている「リモートワーク目標7割」。東京都が都内の企業(従業員30人以上)を対象に行なった調査によると、2021年9月の段階での実施率は65.0%と、政府目標に肉薄する結果となりました。

一方、地域や業種などによってテレワーク実施率に大きな差が生まれているなど、全国的に見れば目標の実現には遠い印象を受けます。この記事ではテレワークの実施率に関して解説するとともに、テレワーク導入に向けた課題やその対策について解説します。

目次

実施率が高いのは東京だけ?テレワークの実態。

業界によってもテレワークの実施率に大きな差が。

テレワークの導入が進まない理由と解決策

テレワーク導入へのステップ

 

実施率が高いのは東京だけ?テレワークの実態。

政府がコロナ対策として掲げている「テレワーク7割」という目標ですが、実際にはどの程度の割合で実施されているのでしょうか。本稿では、テレワーク実施率について解説します。

東京のテレワーク実施率

東京都が毎月行なっているテレワーク実施率調査によると、8月における都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は65%。2021年に入ってからは60%前後で推移しており、政府目標に近い数値です。

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ただし都内の企業においても、その規模によってテレワーク実施率には差が生まれています。同じ調査で、従業員数300名以上の企業では実施率が80%以上なのに対し、30~99名規模の企業では60%を下回っています。資金的に余裕のある大企業ほど、テレワーク導入が進んでいると言えます。

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※参照・出典/東京都 産業労働局 報道発表資料

全国のテレワーク実施率

これを全国規模に視野に拡げてみると、テレワーク導入の現実が見えてきます。パーソル総合研究所が7~8月、全国の2万人を対象に行なった調査では、テレワーク実施率は27.5%という結果。東京都が行なった調査とは大きな乖離が生まれており、地域による差が広がりつつある状態です。

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東京を始めとする中心都市では大企業が集積していることによって、テレワーク実施率が引き上げられていると推測されます。地方だけを切り取って考えた場合は、この格差がさらに広がっていると言えます。

業界によってもテレワークの実施率に大きな差が。

テレワークの実施率は、業界によっても大きな差が生まれています。では、どのような業界の実施率が高く、どのような業界では実施率が低いのかを解説していきましょう。

実施率がもっとも高いのは情報通信業

2020年11月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した、2020年7月時点における業界別のテレワーク実施率(在宅勤務)によると、全業界平均のテレワーク実施率は14.7%。一方、もっとも高い実施率を誇るのは、情報通信業で56.3%でした。これは、業種的にももともとオフィスワークが中心のため、テレワークへの移行がスムーズだったことが影響しています。

業界ごとのテレワーク実施率

一方、小売業、運送業、医療・福祉、保育関係などの業種については、テレワーク実施率が低い水準をキープ。人が直接サービスを提供するモデルのビジネスにおいては、テレワーク導入の壁は非常に高いと考えられます。上記と同じく三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した調査によると、全業界のテレワーク実施率は以下の通りです。

  • 全体:14.3%
  • 情報通信:56.3%
  • その他サービス業:22.3%
  • 製造業:19.1%
  • 鉱業、採石業、砂利採取業:16.7%
  • 教育、学習支援業:15.9%
  • 建設業:13%
  • 電気・ガス熱供給、水道業:0%
  • 運輸業、郵便業:7.2%
  • 卸売業、小売業:17.2%
  • 金融業、保険業:9.9%
  • 不動産業、物品賃貸業:13%
  • 宿泊業、飲食サービス業:9.9%
  • 医療、福祉:3.3%
  • その他:13.9%

テレワークの導入が進まない理由と解決策

これだけテレワーク導入の必要性が叫ばれ、トレンドになっているにも関わらず、実際には多くの企業で導入に至っていない現状があります。テレワークを阻む理由は何なのでしょうか。その謎に迫ります。

社内コミュニケーションの問題

テレワークは在宅勤務が基本となり、オフィスでは当たり前だったコミュニケーションの難易度が大きく上がります。業務上の報連相はもちろん、ちょっとした雑談なども社員同士の連携を強くするには必要なことです。

しかし、東京商工会議所が行なった「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」によると、テレワークを実施した際に生じた課題として社内コミュニケーションと回答した割合は55.5%。コミュニケーションに関する問題が、テレワーク導入の壁になっていると言えます。

うまくテレワークを継続している企業では、チャットツールやWeb会議システムをうまく活用しています。また、最近では「バーチャルオフィス」も注目度が高まっています。メンバー同士が気軽にやり取りをできるような環境を用意し、コミュニケーションのハードルを下げることがテレワーク成功の鍵と言えるでしょう。

情報セキュリティの問題

テレワークを導入するためには、社外から社内サーバーにアクセスできる状態を構築する必要があります。しかし、当然ながらセキュリティ対策をこれまで以上に強化しないと、自宅や公共の場など社員が業務を行なう環境のセキュリティに不備がある場合、情報漏洩のリスクが高まってしまいます。

情報漏洩リスクを抑え、企業としての信用性や安全性を担保するには、VPN(仮想プライベート回線)など、インターネット回線のセキュリティ対策が不可欠。ほかにも、オフィスにあるPCの遠隔操作が可能なリモートデスクトップや、サーバー上から提供される仮想デスクトップの導入も対策として有効です。

ウイルス感染やハッキング対策と同時に、データの紛失・盗難などへの対策も必要です。ただシステムを導入して終わり…ではなく、機密情報や情報機器を扱う社員一人ひとりのリテラシーを高めるために、定期的な研修や教育なども同時並行で行なうことが大切です。

勤怠管理の問題

テレワークにおいては、社員の出退勤や休憩時間の把握の難易度が通常よりも上がることは確かです。オフィスで働く場合には目視や内線連絡などで出勤状況を確認することができました。しかしテレワークでは勤務状況が直接的に見えづらいため、テレワークを阻害する要因とも言えます。

そのため、自宅のPCやスマホ、タブレットなどで打刻できるクラウド型の勤怠管理システムの導入を検討しましょう。上記に書いた社員同士のコミュニケーション手段の活用も含め、ツールを活用することで限りなく正確に勤怠は把握できるようになります。また、クラウド型勤怠管理システムの場合、勤怠管理データも自動的に作成してくれるため、労務部門の業務時間削減にもつながります。

社内業務の問題

出社しなければ対応できない業務がある…というのも、テレワークが進まない大きな要因の一つです。たとえば契約関連書類への捺印、社内稟議承認への捺印などがその代表格に挙げられます。このような書類対応をどのように削減していくかは、テレワークを推進する上で切っても切り離せない問題です。

この問題の解決には、紙を使用した業務の電子化が近道です。たとえば、ワークフローシステムや電子契約システムなどの導入が、それにあたります。ペーパーレス化の推進によって、自宅のPCからでも各種書類の確認が可能に。出社する必要性がなくなる上に、稟議承認へのスピードも早まるなど、テレワークの推進だけでなく事業スピードの向上にも寄与してくれるはずです。

テレワーク導入へのステップ

テレワークは今後の働き方のスタンダードになると期待されているものの、「では明日から導入しよう!」というわけにもいきません。テレワークを一時的なものに終わらせないためにも、きちんと準備を行なった上で導入する必要があります。導入にあたってのプロセスは、厚労省が公開しているテレワーク総合ポータルサイトに詳しく解説されており、ざっくりと以下の7つのステップに細分化されます。

  1. 導入検討・経営判断・全体方針決定
  2. 推進体制の構築
  3. 現状把握や導入課題の抽出
  4. テレワークに関する社内ルール作り
  5. ICT(情報通信技術)環境の整備
  6. セキュリティ対策の実施
  7. テレワークの導入・評価

詳しくはまた別の記事にて解説しますが、このようなテレワーク導入は、業務のDXそのものです。社内にそれを先導できる人間がいなければ、テレワークの真の意味での成功はむずかしいかもしれません。

だからこそ、まずは「テレワークを推進できる人材を確保する」という選択肢を検討するのはいかがでしょう。テレワークの導入はあくまでもきっかけ。その後、テレワーク下においても、適切な評価や教育などを行なうことができるような人事体制の構築は不可避なはずです。

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