ストックオプション制度とは?付与内容や税制面について徹底解説

en-syatyokoho

近年、ベンチャー企業やスタートアップ企業に加え、大企業でもストックオプションを付与する企業が増えています。

ストックオプションが付与される企業に転職を考えた場合、ストックオプションの種類やメリット、デメリットを把握しておくのが重要です。

本記事では、ストックオプションとは何か、基本的な仕組みに加え、税制面での優遇措置などを網羅的に解説します。ぜひ最後までご覧ください。

目次

ストックオプション制度とは?

ストックオプションの仕組みとは?

ストックオプションの種類

ストックオプション付与対象者のメリット・デメリット

ストックオプションの付与は転職動機になり得る

ストックオプション制度とは?

ストックオプションとは、あらかじめ決められた価格(=行使価格)で株式を購入できる権利のことです。

一定の価格以上に株価が上昇した時に株式を購入、売却することで、差額分の利益が得られます。

そのため、日々の仕事の成果が会社の業績や株価向上が、自身の収入に直結。インセンティブ報酬として、企業に導入されるケースが増えています。

ストックオプションの制度を導入する理由

ストックオプション制度を導入する理由は、

  • 付与対象者のモチベーション向上
  • 将来的な報酬を提示し、優秀な社員の確保が可能
  • 従業員のつなぎとめ効果

このように、ストックオプション制度は、将来的なインセンティブにより、人材の確保や従業員のモチベーション向上に寄与します。

また、未上場のスタートアップやベンチャー企業で、ストックオプション制度が導入されるケースがあります。

ベンチャー企業で業績が急成長している場合、優秀な人材を採用することで、さらに業績が向上する場合があります。ただし、優秀な人材は給与が高く、運転資金や毎年の利益が不安定な場合、固定費である人件費が重くなるのは避けたいところ。

そのため、ストックオプション制度を導入し、現時点でのキャッシュアウトを減らしつつ、将来的なインセンティブにより優秀な人材を集められます。

ストックオプション制度の導入状況

ストックオプション制度の導入企業数は、2007年では333社に対し、2017年は643社に増加。10年間で約2倍近く増えており、ストックオプションが積極的に採用されていることを示しています。

ストックオプション 導入状況

引用:三菱UFJ信託銀行調査

また、2014年にストックオプション制度を導入している企業は全体の1.7%。1000人以上の企業が9.8%と最も多くなっており、大企業を中心にストックオプションが導入されていることがわかります。

ストックオプション 導入割合

引用:厚生労働省 平成26年就労条件創業調査結果の概要

ストックオプションと新株予約権の違い

ストックオプションと同じような概念で使われる言葉として、新株予約権があります。

新株予約権とは、「株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受ける権利」のこと。新株予約権のうち、役員や従業員に労働の対価として付与されるものをストックオプションと呼びます。

そのため、新株予約権という概念の中に、ストックオプションがあると理解しましょう。

ストックオプションの仕組みとは?

ここからは、ストックオプションの仕組みを詳しく解説していきます。

ストックオプションの仕組みとして、以下の3つが挙げられます。

  1. 権利行使価額とタイミング
  2. 権利行使の期間
  3. ストックオプションで得た株式の売却タイミング

順番に見ていきましょう。

1. 権利行使価額とタイミング

権利行使価額が1株500円のストックオプションを、1株付与されたとしましょう。株式市場価格が1,000円の時に権利行使すれば、500円のキャピタルゲインを得られます。

株式市場価格1,000円 − 権利行使価額500円 = キャピタルゲイン500円

権利行使使のベストタイミングは、自社の株価が行使価額よりも高くなった時です。なお、仮に市場価格が権利行使価額を下回っている場合、権利を行使しなければ良いため、損をすることはありません。

2. 権利行使の期間

権利行使期間は租税特別措置法により定められています。

例えば、税制適格無償ストックオプションの場合、

本件新株予約権の行使期間は、付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間とする。

国税庁HPよりhttps://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/shotoku/181018-2/01.htm

つまり、ストックオプションの付与から2年以上経過しないと、税制適格無償ストックオプションを行使できないことを意味します。

また、ストックオプションが失効する条件も設定されています。ストックオプションの失効は、

  1. 行使期間が超過した
  2. 付与対象者が退職をした
  3. あらかじめ設定されていた業績に達しなかった

このように、失効条件が設定されている場合があります。企業ごとに行使期間や失効期間を設定しているので、確認しておきましょう。

3. ストックオプションで得た株式の売却タイミング

権利行使後に得た株式は、好きなタイミングで売却が可能です。通常の株式売買と同じ扱いとなるため、株価の変動を注視ししながら売却や保有をしましょう。

ストックオプションの種類

ストックオプションは様々な種類があり、課税額や従業員の費用負担が変わるため、確認しておきましょう。

  1. 有償ストックオプション
  2. 税制適格ストックオプション
  3. 税制非適格ストックオプション
  4. 1円ストックオプション
  5. 信託型ストックオプション

順番に見ていきましょう。

1.  有償ストックオプション

有償ストックオプションとは、公正価値に基づいた発行価格を、付与対象者が払い込むことにより取得できる新株予約権のことです。

払込額は、発行価額に購入するストックオプションの数を乗じた金額を会社に支払うことで、株式を得られます。

発行価額は株式市場価格よりも安価に設定されている場合が多いため、通常の株式購入よりも安価に株を取得できます。

なお、課税のタイミングは株式の売却時にのみ、譲渡課税(最大約20%)が発生します。

2. 税制適格ストックオプション

税制適格ストックオプションとは、租税特別措置法29条2に定める要件を満たしたストックオプションのことです。

適格要件を一部抜粋して記載すると、

  • 無償発行
  • 対象者は発行会社の取締役か使用人等の個人(大口株主以外)
  • 権利行使期間は付与決議日から2年経過後で付与日から10年以内
  • 譲渡は禁止

このような要件を満たしたものが、税制適格ストックオプションです。

税制適格ストックオプションは取得した株式の売却時にのみ、譲渡課税(最大約20%)が発生します。

3. 税制非適格ストックオプション

税制非適格ストックオプションとは、税制的確要件(租税特別措置法29条2の)を満たさないストックオプションです。

ストックオプション税制の適用を受けないため、ストックオプションの行使時に発生する給与課税(最大約55%)と株式の売却時に譲渡課税の2回、課税タイミングがあります。

4. 1円ストックオプション

1円ストックオプションとは、権利行使価額を1円に設定した、税制適格ストックオプションのことです。

権利行使価額が1円と低いため、実質的に株式と同等の価値を対象者に付与する仕組み。そのため、退職金として活用するケースがあります。

なお、課税率が最大25%の退職金課税となるため、税制非適格ストックオプションの税率(最大55%の給与課税)に対して負担額が少ないのが特徴です。

5. 信託型ストックオプション

信託型ストックオプションは、従業員のポイントに応じて信託先からストックオプションを割り当てる仕組みです。

信託型ストックオプションの流れとして、

  1. ストックオプションを信託に全て割り当てる
  2. 従業員へストックオプションに将来交換できるポイントを割り当てる
  3. 信託期間終了後、ポイントに応じてストックオプションを割り振る

ポイントを付与する条件は、会社への貢献度などで定めておくことが可能。

入社したばかりで、会社にどれだけ寄与してくれるかわからない役員や従業員に対して、ストックオプションを付与する必要がありません。

ストックオプション付与対象者のメリット・デメリット

ここからは、ストックオプションの付与対象者にとってのメリット、デメリットについて解説していきます。

1. 付与対象者にとってのメリット

付与対象者にとってのメリットは、努力と報酬が直結するため、モチベーションの向上につながることです。

自身の努力により業績が向上すれば、株価が上昇する可能性があります。取得価額よりも時価が高くなったタイミングで、ストックオプションを行使することで、高い報酬を得られるでしょう。

2. 付与対象者にとってのデメリット

デメリットは、外部環境の変化により株価が下落するリスクがあることです。

世界経済の変化により、株式市場全体が落ち込むことがあります。自社の業績が好調であっても、自社の株価も連動して下落する可能性があるため、ストックオプションの行使による報酬を得にくい状況になります。

ストックオプションの付与は転職動機になり得る

ストックオプションの仕組みや様々な種類について解説しました。

ストックオプションは自分の努力が報酬に直結しやすい仕組み。自分の貢献で業績が向上し、株価が上昇すれば、将来の報酬が期待できます。

そのため、もし転職をするなら、ストックオプション制度がある会社を選ぶのも一考です。

ベンチャー企業やスタートアップ企業に転職をする場合、前職と比べて給与が下がる可能性があります。これまでの年収や家族を考えると、二の足を踏む方がいるかも知れません。

しかし、ストックオプション制度を導入している会社であれば、将来的に高い報酬を得られる可能性があります。

ベンチャー企業やスタートアップ企業では、大企業で得られた経験や専門的なスキルを持った人材を渇望しています。自身のキャリアを生かし、一緒に会社を大きくできれば、働く喜びを感じつつ、ストックオプションにより相応の報酬を得られるでしょう。

【エン社長候補】には、ストックオプション制度を導入している企業が多く掲載されています。まずは会員登録を行い、企業の求人情報を確認しましょう。

”エン 社長候補”で自分だけの
新しいキャリアを探してください

”エン 社長候補”では年収800万以上の社長候補求人を掲載しています。
会員限定公開のコンフィデンシャル求人も多数取り扱っております。
会員登録する